認知症予防の根拠
認知症のおよそ8割は、アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症およびそれらの混合型の認知症で占められているので、認知症の予防は基本的にその2つの認知症と考えてもよいです。
『脳血管性認知症』
認知症の15%~20%を占めると考えられています。
脳の血管の障害で起こります。
原因疾患として
脳梗塞 血栓症 脳塞栓症 脳出血 くも膜下出血 などが挙げられます。
これら疾患の危険因子として
運動不足 肥満 食塩の摂取 飲酒 喫煙の生活習慣 高血圧症 高脂血症
糖尿病や心疾患 などがあります。
脳が全般に少しずつ萎縮するのが特徴です。
記憶をつかさどる「海馬」の周辺が早くから萎縮し、記憶の障害、物忘れで始まることが多く、この物忘れは着実に進行し日常生活に支障が出ます。
危険因子として
遺伝的な因子と環境的因子があるが、環境的因子の影響のほうが発症に大きく関わっていると考えられています。
環境的因子
食習慣
魚の摂取、野菜や果物の摂取、ワインの摂取などが関係していることが分かっています。
『魚』
魚の摂取に関しては1日1回以上食べている人に比べてほとんど食べない人はアルツハイマー型認知症の危険がおよそ5倍であったという報告もあります。
その効果は、魚に含まれる脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸によるものと考えられています。
『野菜や果物 』
野菜や果物の摂取量が多いとアルツハイマー型認知症の発症率は低くなっています。
野菜や果物に含まれているビタミンEの摂取量で比べると摂取量が多い人は少ない人に比べて、アルツハイマー型認知症の発症危険度は3割に抑えられています。
野菜や果物に含まれている含まれるビタミンE、ビタミンC、ベータカロチンがそうした効果を生んでいるとされています。
『赤ワイン』
ワインの摂取では、飲まない人に比べて週1回以上飲む人は発症の危険度は約半分になっています。赤ワインに含まれるポリフェノールが関係しているであろうと考えられています。
やっぱり食習慣は大切ですよね~
わかっているのですが、魚あまり食べないし、野菜や果物も不足している・・・・
いや、こういのは「わかってる」とは言えないな。
意識して食べよう。
赤ワインか~ あまり酒を飲まないし、ヴェル○ ジュースでもいいのかな。
次回
「運動習慣」に続きます。
参照 (「介護予防マニュアル」(厚生労働省))
福祉住環境コーディネーター1級公式テキスト